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音楽と大脳2016年11月22日
音楽と大脳
最近の医学では、音楽を聴くと大脳機能地図全体が反応していることが検査で明らかになってきた。
その検査方法は最も発達した手法といわれているものでf-MRI検査と呼ばれている。
臨床現場では認知症でも大人から子供でも共通して音楽に反応する。
音楽の反応は年齢や病気には関係がないのである。
人類は音楽を聞くことに関しては境界がない。
音楽を聴いていると、無意識に手でリズムを取ったり、足首を動かして拍子を取っている。
音楽を聴く中枢である大脳細胞が活動すると、前頭葉が刺激され、そこから連動して運動中枢が刺激されて運動神経細胞が活発化して末端の手や足先までも動かしている。
このように大脳全体が活動する。
認知症者は記憶中枢の障害から前頭葉障害を起こし、判断力を失い、未来が見えないので心の中は不安でいっぱいである。
だが聞き覚えのある声や、好きな音楽が聞こえてくると、途端に表情が明るくなり、体がウキウキしてくる。
お互いにリリアンを握って輪になり、手を取って歌い出す。
更に最近の研究では、音楽が人間の集団化に役立っていることが明らかになってきている。
大脳の研究者である時実利彦氏によると人間には集団脳があると主張されているが、これも近年の研究や脳科学の発達が裏付けており、数十万年、数百万年かけた人類の進化の過程で音楽とともに集団活動をして地上での天変地異を乗り切った刻印として証明されて来ている。
民族の誇りを感じる音楽を
80歳から90歳、101歳などの高齢者が20人内外集っているのが現場のデイケア室でありデイサービス室である。
この老人の現状に対して国は十分な水をやらず、次第に涸れて貰うことを考えているのが介護政策である。
明治時代には民族の誇りを滲ませた童謡や唱歌が歌われ、日清日露時代を舞台にして作られた「戦友」などは今日も歌われている。
それをデイケアで集団で歌っていると、目をつぶりながらも口は動いている。
「我は海の子」なども軍艦に乗って海の国日本を護れという当たり前の歌詞の内容が、戦後は歌われなくなった。
民族の利益を護れというのは昔も今も国民の心は同じである。
更にこの歌では竜巻も氷山も恐れないとなっており、地震国の日本人としては当たり前の感覚である。
民族の利益を護れ、海の国日本を護れというのは国民心情は昔も今も変わらない。
民族の利益を守れという歌が、今日ではあまり歌われなくなったのは、敗戦後70年以上も国益をアメリカ国に核の傘代金として利益を差し出しているためである。
だから年寄りは枯れない程度に水をやるとなっている。
そして今日、アメリカの没落とともに日本国の老人の水が減少してきた。
その水の計算を政治家たちが計算しているのである。
介護活動を通じて、民族の誇りを取りもどす
戦争体験者が杖をつきながら、バルーンを抱えながら参加する介護活動では、日本の誇りを取り戻す介護活動こそが現代介護職員には必要なことである。
これこそが日本の介護音楽活動である。
その継続を保障するための介護リハビリである。
これを我々は健脳健国集団リハビリと呼んでいる。
老人が日本の民族の誇りを取り戻す活動、これが我々の目指す老人介護であり、回想音楽ケアである。
これを1年くらいやり始めて老人の目が輝き出した。
そこでは民族の誇りを歌え!民族の屈辱を歌うな!である。
デイケアの高齢者は男性も多い。
その身体には生きてきた歴史が滲んでいる。
反応するのは民族の誇りが詰まった曲である。
音楽に託されたメッセージを引き出して、感じて、集団で歌い始める。
目を瞑っていても口元からよだれを垂らしていても、戦友が出てくる。
海軍経験者、陸軍として大陸で従軍した男性高齢者、南方で兄弟を失った車イスの老女が参加する。
日本は比較的民族の混合は少ない。
これに比べてアメリカ国はまれにみる混合民族であり、唯一の結束点は国旗という布切れだけである。
その布の後ろには殺戮の歴史がある。
戦争の歴史がある。
略奪と世界の弱者からの収奪の歴史で、そこから大量の物資や資財を蓄積し、世界の憲兵に君臨した。
しかし今やその栄光に翳りが出てきた末期の怪物で過去の物となりつつ、同時に日本から血を啜る倒れつつある吸血鬼の状態である。
他方で日本は歴史的に地理的に民族の混合は少なく、ルーツが米食であったり文字も漢字を語源にし、体質的にも共通性が多い。
シルクロード歴史を共有し、アジア圏文化文明が中心である。
歴史上では民族紛争はあっただろうが、人的、歴史的、文物の交流などもあり、益々発展してきた。
民族の誇りを大切にし、自らの人生の脊髄作りをしてきたのである。
自らの人生は民族の歴史を生き抜いてきた人生であり、それを言葉にし、歌にしてきた。
それを共に輪になって生きてきた誇り、民族の誇りを歌うのは喜びである。
介護音楽を通じて第二次世界大戦を振り返り、大陸侵攻、追い出されて南方展開、扇動されて犠牲をもたらし、末期の戦争指導者たちの最終決断の失敗などを振り返り、ころころ変わる政治家ではなく、国民が社会の平和や政治を決めていかねばと話しをし、歌をうたい、リリアンを回し、若い世代への継承のためにはリハビリを行って体力を維持している昨今である。
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