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集団ワークの効果2017年2月20日
ある日の午前のデイケア室で、いつものように20人弱の利用者さんと集団体操をやっていた。
音楽のあとに足の体操になった。
Aさん(女性)は第二心臓体操がうまく出来ないのである。
それは両足のふくらはぎ(腓腹筋)の収縮運動を第二心臓体操と称していて、全員が輪になってかかと上げ運動を30回やる。
ただ床に足を置いて、つけた足の“かかと”だけを上げるのである。
しかしAさんは“かかと上げ”の意味が理解できず、自分の足首を前に上げたりしている。
近くの職員が足を押さえて“かかと”だけをあげさせようとしても出来ない。
その様子を見ていると、Aさんは周りを見ず自分の足ばかりをみている。
そして同じように出来ない、出来ない、というそぶりで顔をしかめて悩み混乱している。
集団にいながら他人を見ていない。
そうやるのではなく、輪になっている円の反対側のおばあさんの足を見てご覧なさいというと、見た途端に即出来るようになった。
集団に居ながら個を頑なに維持していた。
輪になっていなかったのである。
Aさんは自分一人で混乱していた。
集団から学ぶというやり方に慣れていなかった。
集団が自分を教えてくれていること、これが集団効果であり、集団ケアであり、集団力である。
デイサービス室でも社長夫人だった高いプライドの女性が参加してきた。
はじめはプライドが高くて参加は難しいのではないかと思われてた。
しかしそれは杞憂に終わった。
参加してみるとスムーズに輪に入り、入浴もできた。
プライドが高い(個が優先)と心配していたのが、本人は集団を欲していたのであった。
特に認知症になると、不安がいっぱいになり、個に閉じこもってそれが悪化してしまう。
それを周囲は勝手にプライドが高い、個が優先ではないかと外からだけ、風評だけ聞いて見て評価していたのである。
そうではなく、個に閉じこもるのは、集団に参加して背中を押してもらいたいのである。
ただ一歩をヘルパーに押してもらいたいのである。
人間はこの世で一人で生きていけないのだなと感じた次第です。
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