介護事業について
なじみグループは、この3本の柱をもとに
介護品質の向上に取り組んでいます。
また、「漢方」や「東洋医学」の考え方を元にした健康ケアも、
なじみグループの特徴です。
音楽を通じて回想し、リハビリで元気になり、知恵を継承する。
~回想~
認知症になると、記憶が失われることで、まるでどこかわからない暗闇の中に一人放り出されたかのような不安感に襲われます。ふるさとのことや子供時代のことなど昔の事を回想することで、暗闇の中に一つ二つと明かりが灯されるかのように、精神の安定や認知機能の改善といった効果が見られます。
~リハビリ~
腰やひざなどの痛みや、筋力の衰えなどで一人で日常生活を送ることが難しい高齢者の方でも、専門の理学療法士の指導の下、無理のない強度とスピードでリハビリテーションを進めてまいります。
~音楽~
最近の医学では、音楽を聴くと大脳機能地図全体が反応していることが明らかになっています。音楽に対するポジティブな反応には、年齢や病気といった境界はありません。なじみグループでは、定期的な演奏会や音楽ホール「三々五々館」でのイベントなど、音楽と触れ合う機会にあふれています。
パーソンセンタードケアについて
介護を「する側」も、「される側」も、人として尊重され、大切にされる環境づくり。
それがパーソンセンタードケアの本質です。
パーソンセンタードケアは、認知症を持つ人を一人の人間として尊重し、過去の境遇や考え方、個性を踏まえた上で、その人の立場に立ってケアを行うという考え方です。当グループの名前でもある「なじみ」の英訳でもあります。
私達の提供するデイケア、デイサービス、グループホームでの介護の基本に「なじみ」があります。
認知症の高齢者の方を、効率化の名のもとに「物流」のような意識で扱うのか。
または、日本や地域に長い間貢献し、様々な素敵な経験を積み、結果として今認知症になっている「一人の尊敬すべき個人」として扱うのか。
介護をされる側も、する側も、より生き生きとした毎日を送ることができる選択肢は、間違いなく後者でしょう。
ヘルパーでもケアマネジャーでも窓口でも調理でも、ボランティアでも看護師でも理学療法士、作業療法士でも医師でも運転手でも職員すべてに利用者との「なじみ」関係の成立なしには仕事になりません。それが福祉の中心だからです。
「なじみの関係」が、認知症患者に光明をもたらす
認知症の患者が抱える「孤独」「恐怖」といった不安は、一説では「人類最大の不安」とまで言われています。
ある認知症の絵描きさんが、ご自分の心象風景を絵に描かれたことがあります。街灯の中、まわりは漆黒の暗やみ、街灯の下にたたずむ絵描きさんの足もとだけ三十センチだけが明るい。前も後ろも右も左も墨を流したように黒く塗られ、これはまさに認知症の方が抱える不安を表しています。
お風呂にしても食事にしても、なじみグループでは高齢者の方に一から十まで指示をするようなことはしません。そんな事をしなくても、人生の先輩方は若輩のヘルパーが意図することなど、本来ならば全て察して頂く事ができるからです。
私たちが重要視しているのは、不安を抱えた認知症の方が、少しでも不安をなくし、その方らしさを取り戻せるように、「なじみ」の関係をいち早く構築することです。職員とのなじみ、ケア施設に通う他の利用者とのなじみ、など。
そのためにも、不安な心象風景を察し、不安からくる心の乱れを理解し受容し周辺症状にも対処しながら、それを受け入れて静かに接することができる力量が大切になります。その方の歴史を知り、不安な心を病理から理解し、その声に耳を傾け、心の声をくみとり安心となじみを共有してゆく。その根底からの理解のうえに、私たちの認知症ケアは成り立っています。